プロフィール

オペラ

Author:オペラ

※所有バイク
Look595
Operaベルニーニ
ルイガノXC-Race

愛車Look595

最新記事

最新コメント

カテゴリ

おすすめ(ロードバイク)











おすすめ(本)













ブログ村このブログの記事

RSS

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す

   

悩み、愚痴、そして共感。

皆さん、どもども。
うつを背負って人生ヒルクライム中のオペラです。

こんな私にもたまに集まって遊ぶ後輩達(3〜4人)がいる。
いずれも前の部署で一緒だった奴らだ。

最近はすっかり疎遠になっていたのだが、今回の母の件(脳梗塞)もあって久しぶりに私は彼らに招集をかけた。
スマホでラインとかやっていれば招集も簡単なのだろうが、残念ながら私は今だにガラケーである。
なので私の招集方法はただ一つ、彼らの中の一人を適当に選び、そいつに段取りを全て任せるという、いわゆる全投げである。

今回その役割を私の独断によって課せられたのは、そのグループの中で私に次ぐ年長者のT君だった。
いつも鷹揚で気配りの効くT君は、私の送った一見慇懃なようで実は迷惑以外の何物でもないような”これぞまさに迷惑メール”に対して、今回もレスポンス良く返信してくれた。

しかしTの返信は意外な内容を含んでいた。
「……分かりました。でも今回は僕一人でもいいですか?」
「いいけど、他の奴らに何かあった?」
「いえ、まあちょっと今回は僕の愚痴も聞いてほしくて」

この時、私の頭の中には様々な想像が渦を巻いていた。
渦は暫く治まらなかったが、やがて私の頭は徐々に秩序を取り戻していった。
気が付くと渦の後には(必要も無いのに)私なりの推論が勝手に出来上がっていた。
「Tは決して愚痴を言うようなタイプでは無い。
 そんなTが愚痴りたいと言っている。
 それもメンバーではなく私一人に対して。
 もしかしてその愚痴はこのメンバーの中の誰かに対しての不平不満なのではないだろうか?
 これはちょっと難しそうだな。
 何か対策を考えておかなければ」

私はとりあえずこの場ではこれ以上突っ込まないことにした。
なのでシンプルにこう返信した
「そうか、分かった」

Tとは四条大橋で待ち合わせた。
先日のような紅蓮の夕焼けを期待してカメラを持って行ったのだが、この日は空振りだった。
なので鴨川べりで幸せに憩う人々の写真だけ一枚。
P1010001_201709032331038a4.jpg
しょぼいデジカメが勝手に頑張ってフラッシュなぞを焚いたものだから、宵闇の中に浮かぶ仄かな明かりの実に寂静な雰囲気が全く消されてしまった。
Tも謎だがこのデジカメも謎である。

そんなことを考えながらボーッとしているとTからメールが届いた。
「いま着きました」
私は直ぐに返した。
「俺はもう着いてる」

C先輩ならば間違いなく指定時刻から随分遅れてやってくるところだが、Tも私もとにかく遅れるのが嫌いな性分なので、いつも待ち合わせ時刻よりも随分早く着いてしまう。
待たせるよりも待つ方が安心するタイプ(小心者)なのである。
なのでこの日もお互い待ち合わせ時刻の15分前に出会う事になった。

私たちは河原町を歩き始めた。
そしてとりとめのない会話を交わしながらどこか適当な店を探した。
ふとTを見ると、なにやら一生懸命スマホを操作していた。
「何してんねん?」
「いや、ポケモンっす」
Tは河原町に出現するモンスターの捕獲中だったのだ。
まさかまだポケモンが流行っているとは思わなかった。
聞くところによると、京都は観光名所が多いので捕獲スポットも多いらしい。
なので休日ともなればTはそこいらじゅうを狩り歩いているという。
そう言われればTの顔は実に日に焼けて健康的に見えるし、恐らく実際に健康なのだろう。

私はそんな彼の姿を横目にこう思った。
(こいつ本当に悩みなんかあるのか?)

その後私たちは適当な居酒屋を見つけ、そこの個室で改めて二人対面した。
(T曰く、そこにはポケモンも何匹かいたらしいが)

一通り注文を済まし、やがてTがとつとつとしゃべり始めた。
長くなるので要約すると、彼は会社に不満を持っているらしい。
主に待遇、そして人間関係。
世間共通の悩みである。
「僕は絶対干されているんですよ」
「いくらやっても昇進しない。他部署の後輩は上がっていくのに」
「この会社の人間はみんな自分の事しか考えていない。特に上司は」

この時点で私の推論は当てが外れてしまった。
なのでどう対応していいか分からなかった。
なにしろてっきりこのメンバーのある後輩との上下関係における悩みだと(勝手に)確信していた私は、それに対するアドバイスしか考えてきていなかったのだ。

私は暫く考え込んだ。
今私の隣には一体どんなポケモンが座っているのだろうか?……いや違う!!
彼の気持ちは理解できる。

人は努力に対して報われていないと感じた時、
もしかすると自分は人に利用されているのではないだろうか?
自分の成果を全て上司が横取りしているのではないだろうか?
誰も自分の事を正しく評価してくれていないのではないだろうか?
などと疑心暗鬼になりがちである。

昔、私の先輩にもいた。
彼はとてもやさしく後輩の面倒見も良かったのだが、後輩に抜かれた時から恐らく自分の待遇に不満を抱き始めたのだろう、急に人が変わったように冷淡になってしまい、やがて孤立し、最終的には会社を辞めていった。
その時の先輩には、人を助ける事がまるで自分の利益を自ら棄損する行為のように見えていたのだと思う。
なので、恐らく今のTと似たような思いを抱いていたのではないだろうか?
「周りの人間は常に自分を利用して得をしようとしている」と。

Tは会社を辞めたくて辞めたくて仕方がないらしい。
実家に帰省したときも周囲に手頃な就職先は無いかと思わず探してしまうそうだ。

私は思った。
こんな時、もし釈迦や孔子だったら一体どんなアドバイスをするのだろう?
全く思いつかなかった。
なんかそれっぽい理屈をこねることくらいなら私にも出来そうだが、なんか白々しい。
しょせん借り物の人生訓や哲学などを他人から説教がましく垂れられても響くわけがないのだ。
なので経験談から入ることにした。

「昔の俺の上司だったMさんとWさん。お前も知ってるやろ。
 あの人達な……」
私は、今の私だからこそようやく理解出来る、Tも旧知の元上司二人の部下に対する、つまり私に対する勇気ある行動について話した。
詳細は長くなるので省略するが、
要約すると自尊心と虚栄心についての私の見解、
確かに人は自己中心的な面も持っているが、決してそれだけでは無いという事、
そして最後には結局私にも人の事はよく分からないという事、
などを話した。

『群盲評象』という言葉がある。
盲人が象の一部を触って、象の全体像について論じる様を示す言葉である。
尻尾を触った盲人は象は蛇のようだと言い、足を触った盲人は象は丸太のようだと言う。
人が人を評する時など、まさにこうなるのではないだろうか?

私の話を一通り聴いた後、Tは呟くようにこう言った。
「でもやっぱりこの会社の人間はクズばっかりですよ」
もう私は首肯するしかなかった。
「そうやな」

居酒屋を出たあと、私たちは祇園白川を抜けて八坂神社まで散歩した。
この日はやけに人出が少なかった。
北朝鮮からミサイルでも飛んでくるのだろうか?

小腹がすいたので何か食べようかと喫茶店を探したが、京都の店はどこも閉まるのが早い。
結局某マクドナルドに入った。
インド人が接客をしていた。
日本語が全く通じなかったので、そのインド人の隣に立つ通訳兼レジ打ち兼スマイル対応のお姉さん(インド人いらないじゃないか!)に一通り注文をした。
トレイを受け取って席に着き、Tと再び対面した。
しばらくしてTが言った。
「オペラさん、これ見てください。レアです」
Tが私に差し出したスマホの画面には、彼曰くレアポケモンと呼ばれるポケモンが躍っていた。
それを見て私は思った。
(多分彼は大丈夫だ。
 ちゃんと愚痴を愚痴だと割り切って愚痴っているだけなのだ。
 間違いなく私なんかよりも遥かに上手く人にも物事にも対処できている)

また会おうと約束してTと別れた後、私はこの日を振り返って分かったことがある。
何も深く考える必要は無かったのだ。
ただ話を聞いて共感してやれば良かっただけなのだ。

人に相談されると「何とか解決してやらねば」と思わず気負ってしまうことがよくあるが、
その人は本当に解決を欲して相談しているのだろうか?
もしかすると話を聞いてもらうことで少し楽になりたいだけなのかもしれない。
そう考えると、居酒屋で熱弁を振るっていた自分の姿が少し恥ずかしく感じられた。
恐らくTは私の「そうやな」の一言、すなわち共感が欲しかっただけなのだ。

最後まで読んで頂き、感謝、感激です。
よろしければポチッとお願いします。 



ブログランキング・にほんブログ村へ



拍手、コメント、それだけが励みです。
   ↓↓
関連記事
スポンサーサイト
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す

   
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。