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『地下室の手記』と『人間失格』を読んで。

皆さん、どもども。
うつを背負って人生ヒルクライム中のオペラです。

ここ三日ほど、ほとんど死んでいました。
夕方まで床から抜け出すことも出来ず、体には酷い疲労の蓄積が見られ、頭は常にしびれており、顎に力が入らずどこか歯がうまくかみ合っていないような、それでいて休もうとすると相変わらず眠れない。

それでも一日を経るごとに少しずつ回復はしているようで、体も少し軽く感じた今日の夕方、ほぼ強引にジョギングに出かけた私は、体の重さと呼吸の辛さで自分の体調の悪さをつとに実感しながら走りぬいた約四キロの道のりをもって、ようやく生き返った心地を取り戻したのです。

こうなった原因は恐らく読書です。

ドストエフスキーの『地下室の手記』と太宰治の『人間失格』を読みました。

そのうち私を打ちのめしたのは『地下室の手記』の方です。

読んでいて全く面白くなく、ただ不快なだけなのですが、何故か読まずにはいられない、そんな不思議な小説です。

私はそれを一日で読み終え、その直後から不調に襲われたのです。

『地下室の手記』を読んだ後に読む『人間失格』は、恐らく通常抱く読後の感想とはまるで正反対の感想を私に抱かせることになりました。

私は、人間失格の烙印を押された(と感じている)主人公が、最期何故かホッとしているような、或いは本来落ち着くべき場所へようやくたどり着いたような、要するに最終的に救われた話のように感じたのです。

それに比べると『地下室の手記』の主人公は救われません。
彼は、業火の中で永久に焼かれ続けて生きていかなければならないのです。

まるで、いつ果てるとも分からない戦争の中、名前も分からないような孤島に一人残され、暗い塹壕の中にこもり、疑心と恐怖から救いの手にさえ噛みつき闘い続ける狂った兵士のようです。
戦争はとっくに終わっているのに、いや戦争など最初から無かったのに、その兵士は一人孤独に闘い続け、そしてそんな兵士の存在を社会は黙殺しているのです。

私がこの小説に衝撃を受けたのは、その主人公の恐ろしく歪んだ性格に対してではなく、それに少なくないシンパシーを感じている自分の心に対してでした。

更に読後、書評で”あり得ない性格の主人公”とか、ドストエフスキー自身もこれが売り物になるのかどうか?と途中で迷ったらしいとか、そのような情報に触れるにつれ、私の心の中の動揺は益々強くなっていきました。

この物語には一切の光が無く、そして読後の救いもありません。

『地下室の手記』は、ドストエフスキーの作品にしては登場人物の数が極めて少なく、そのうえ物語の半分は一人称による独白です。
普通このような性格の人間に人間関係が存在する訳が無く、しかしそれでは小説としての体裁をとれないので、仕方なく必要最小限の脇役を配しているのです。(と私は思いました)

それに比べると『人間失格』の主人公は人間的魅力に溢れ、その生きざまもどこか颯爽としています。

(本意でないとはいえ)人に好かれる特質を有し、少なくとも糊口を凌げるくらいの芸術的才能を持ち、家は裕福、女には持てる、それに何より自分自身が「これではダメだ」と自分をまっとうに評価出来る所謂正しい社会的規範を有しているのです。

これらの要素を『地下室の手記』の主人公は何一つ有していません。

ドストエフスキーがこういう人間的一面を持っていたのか、それとも身近にそういう人間を知っていたのかは私の知り及ぶところではありませんが、よくぞまあ書けたものだと思います。
簡単に言うと天才ですね。

『地下室の手記』には結末がありません。
例えば、主人公が死ぬとか旅に出るとか決意を新たに社会の光の中へ歩いていくとか、そんな結末があれば、もしかすると私も体調を崩すようなことにはならなかったかもしれません。

主人公は最後、やっぱり変われない自分自身を再認識する、ただそれだけでした。

その結末のつけ方が、私を酷く不安にさせ、焦燥を煽り、恐怖の底へと誘うのです。
永遠にこの苦しみから解放されない主人公の”これから”に身震いするのです。
そして、それに自分を投影して居てもたってもいられなくなるのです。

小説として、或いは物語として面白いのはどう考えても『人間失格』の方ですが、読む者の心へ与える影響の度合いから言うと、私的には明らかに『地下室の手記』の方が強かったです。

『地下室の手記』。
心が弱っている時に読む読み物ではないと思いました。
と言うか、この本は一体何を伝えようとしているのか?
そもそも読む意味や必要があるのか?

でも明らかに『人間失格』に対する感想が変わった事は確かなので、そういう意味においては自分に新しい視点を与えてくれる一冊だったのかなとは思いました。

それにしても、「あぁ、しんどかった」。

……続く。

最後まで読んで頂き、感謝、感激です。

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コメント
514:管理人のみ閲覧できます by on 2016/02/27 at 12:46:18

このコメントは管理人のみ閲覧できます

515:Re: タイトルなし by オペラ on 2016/02/27 at 20:01:46

お気遣い頂き有難うございます。
私はドストエフスキーの中では『罪と罰』が割と好きです。
最後に僅かではあるものの救いを感じられるからです。
最近は何か体が重くて動くのも非常に億劫な状態で過ごしています。
東寺の弘法市とか二条城とか、何気なく赴いた時の写真もあることはあるのですが、気分も中々乗らず、ブログにまで至っておりません。お蔵入りする前にUp出来ればいいのですが……。

気休めでも何か自分にとって特別な本があるのは素晴らしいことですね。
人によってはそれが本では無くて全く別のものかもしれませんが、そういう拠り所を持っているといないのとでは苦しい時の気持ちの在り方に大きな差異が生まれると思います。
出会いの奇跡に感謝ですね。

また記事を挙げた時にはよろしくお願いします。

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