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清滝から高雄まで杉山トレイル。

皆さん、どもども。
うつを背負って人生ヒルクライム中のオペラです。

深い睡眠、そして早い目覚めを得られた希少な朝。
そんな時、私は可能な限り頭の中を外の世界へ向けるように心がけています。

先日浴びた朝日の余韻は未だ心の中にはっきりと残っています。

その日も私は動きました。
目的地は特にありませんでした。
どこかに行く事が目的ではなく、とにかく動いて心に抑揚を与える事が目的なのです。

足はごく自然に嵐山に向きました。
電車と徒歩でたどり着いた渡月橋を目にすると、不思議と観光の明るい萌しが心に出でる自分に気が付きました。

IMG_1494.jpg

渡月橋を渡り、何故か今日は中国語ではなくて韓国語に溢れる嵐山を奥へ奥へと歩きました。

メインストリートを過ぎると人影が急にまばらになります。

人力車と着物姿のカップルを目にしました。
最近は観光スポットで見る着物姿は日本人ではない可能性の方が高く、もしかするとこの光景も車夫以外は全員外国人かも知れないななどと思いながら後を歩いていました。

IMG_1495.jpg

無心で歩き続けていると戻るのが惜しくなって、気付けば止まる事が出来なくなっていました。
私は、とりあえずひと山越えて清滝の集落まで行ってみようと思い立ちました。


IMG_1498.jpg

試峠という激坂を徒歩で歩くうち、体には汗がにじんできました。

そして嵐山駅から約四キロほど歩いた頃でしょうか、ようやく清滝の集落にたどり着きました。

ふと見ると、目の前の案内板に東海自然歩道の地図が描かれているのに気が付きました。

IMG_1500.jpg

高雄まで約四キロのトレイルです。
私は迷いました。
このまま嵐山まで再び試峠を超えて帰るか、それともトレイルを四キロ歩いて高雄からバスで帰るか。

私は後者を選びました。

トレイルは清滝川に沿って走っています。

まずは北山杉の中を突き進む舗装路です。

IMG_1502.jpg

やがて舗装が無くなり、道は林道へと変わりました。

写真は補正で明るく見えますが、実際は鬱蒼とした林の中です。

その中で聞こえるのは谷を流れる清滝川のせせらぎの音だけ。
嵐山の喧騒の中では決して聞き取ることのできない、清らかな水のささやきです。

そんな自然の中に、ただ私だけが歩いていました。

IMG_1504.jpg

トレイルは変化に富んでいました。
そして、とても深く山の中へ入り組んでいました。

遭難したら春まで誰にも発見されないのでは? ふとそんな事も頭をよぎりました。

IMG_1508.jpg

夏ならさぞ涼しくて気持ちがいい散策だろうと思います。

私は自分が何故冬の最中に目的も無く家を出て今ここを歩いているのか、不思議な心持のまま歩き続けました。

IMG_1510.jpg

最早林道でもなくなった散策路。

私はジャケットを脱いで腰に巻き、シャツ一枚でこの大自然と孤独な闘いを続けていました。

IMG_1512.jpg

本当にこの道で合っているのか?
そんな思いはこの休憩所を見た瞬間に払拭されました。

IMG_1517.jpg

清滝川をどんどん遡って行きます。
石は荒々しく、そして水は澄んでいきます。

IMG_1518.jpg

IMG_1519.jpg

まるで北山杉に拝謁されているような林道です。

真っすぐ天に向かって直立する杉はどれも等しく枝打ちされ、不自然なほどの整然さで立ち並び、威圧的な裸体を晒して私を見下ろしているようでした。

IMG_1524.jpg

今私はどうやらこの辺りにいるらしいことが分かりました。

IMG_1528.jpg

景色が目に次々と新しい刺激を与えてくれるので、独りで歩いていても全く飽きることはありませんでした。

IMG_1531.jpg

ようやく高雄に到着したようです。

旅館や料理屋が散見されました。

IMG_1533.jpg

そう言えば、高雄、清滝川、北山杉といえば、川端康成の『古都』を思い出します。
(舞台の一つはここから更に上流ですが)

この時の私はただ疲れたという気持ちだけでそのような雅な雰囲気に浸っている余裕などありませんでしたが、折角今高雄の谷底にいるのだから、ついでに神護寺にも寄ってみようかと思いました。

恐ろしいほど急で長い石段を登り、額から汗が噴き出してきた頃に山門が見えてきました。

IMG_1536.jpg

若い女の人が受付をしていました。
黒目の澄んだ、声の美しい女性でした。

その瞳には、会社の中で接する人々とは明らかに異なる光が宿っていました。
排他的で僅かな隙さえ見せまいと努める濁った威圧的な光に対し、彼女のそれはあるがままを歪みなく受け入れる懐柔的で優しい光でした。
私はその澄み切った清滝川のような光があまりにも眩しく感じられ、思わず目を背けてしまいました。
そのような瞳の中に自分が映る事に対し、どこか後ろめたさを感じたのです。

彼女はマスクをしていました。
もし花粉症だとしたら、杉だらけのこの職場はまさに地獄だと思います。

IMG_1539.jpg

「神護寺、とりあえず観た」

暫しの休憩の後、私は国道に向かって再び歩き始めました。

IMG_1542.jpg

IMG_1543.jpg

そして無事高雄のバス停にたどり着いた私。
簡素な標識しかないバス停に一人佇む私。
寒さに震えながら待った20分のどんなに長かったことか。

到着したバスの中には運転手しか居ませんでした。
とりあえず、バスの中でも私は一人でした。

京都駅に着いた時、日は暮れかけていました。
つい一時間ほど前に目の前に広がっていた光景と、今目の前にそびえる京都タワーとのギャップに頭が少し混乱しました。

IMG_1545.jpg

京都駅に映るタワーを見ながら、私は京都という街の本質が、その方向性が分からなくなっていました。

清滝川の光映える川面と、京都駅の電飾煌めく鏡面と。

IMG_1550.jpg

帰宅してまず感じたのは、お尻の筋肉の痛みでした。
普段ジョギングをしていても、山道を散策するのはやはり使われる筋肉が違うようです。

ひとしきり歩き、体には疲れと痛みだけが残りました。
しかし心には、清滝川のせせらぎの音と神護寺の彼女の瞳の光が残りました。

……続く。

最後まで読んで頂き、感謝、感激です。

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