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Look595、ながれ橋で妖精に出会う。

皆さん、どもども。
うつを背負って人生ヒルクライム中のオペラです。

「よりイージーに、より腰に優しくする術は無いものか?」
先日ハンドル高を限界まで上げてみたものの、イマイチその恩恵を感じられなかった私は、夜眠れない事を逆に利用して、こんな思いにふけっていたのです。

改善策に思い当たったのは、今朝目覚めた時にLOOK595のサドルが目に入った時でした。

「よし、前に出そう」

という訳でサドルを約1cmほど前にずらし、これまでペダルを踏み込んだ時に反力として感じる腰への負担を軽減するという目論見を企てたのです。

PC080257.jpg

「他には、他に何かできることは無いものか?」

自転車本体ではもう思いつくことが無くなったと感じた私は、傍らに転がるシューズに目をやりました。

裏に返すとボロボロのクリートが。

そのTIMEのクリートを見た時、私はある事を思い出しました。

「確かTIMEのクリートは左右を入れ替えてつけるとQファクターが変えられる仕様になっていたはず」

Qファクターとはクリートとクランクの間の距離の事です。

小さければ小さいほどクリートとクランクの距離が近づき、左右の足の開きが小さくなるのです。

私の現状を確認すると、何故かQファクターが大きくなる方に取り付けられていました。

要はわずか数㎜ですが、足を開いてペダルを回していたという事です。

私は直ぐに左右を入れ替えました。

「よし、これで更にイージーになったはず」

先日同様、私は試してみたくなりました。何かを変えたらその効果を確かめたい。これは必定です。

PC080256.jpg

「おお、これはいい。何かしっくりくる」

Qファクターが小さくなったことで、踏み下ろす足が実にスムーズに違和感無く真下に向かって降りていきます。

サドルを前に出したことで、踏み込んだ時のペダルと膝頭の位置関係が上下一直線になって、込めた力の全てが一点に集約されて伝わるような気がします。

LOOK595との一体感に喜びを得た私は、そのままながれ橋へ向かって走り続けました。

「今までどうして気が付かなかったんだ」

考えてみるとロードバイクのセッティングとは、体力や柔軟性など、その時の身体的条件や使用目的によって一生続けていく必要のある作業なのです。


ながれ橋に到着しました。

PC080254.jpg

相変わらず崩壊しています。

橋に沿ってアスファルトの道路が敷かれていました。恐らく修復作業に取り掛かっているのでしょう。

PC080255.jpg

写真を撮り終え、誰もいないながれ橋の休憩所に戻ろうとしたとき、突然一台の軽自動車が私の前に現れました。

自転車道なのに、車乗り入れ禁止なのに。

車は、車止めの前で停車しました。

エンジンが止まってドアが開き、一人のおじいさんが出てきました。

何が目的なんだ、この人は。

私が不信の目を向けていると、恰幅のいいまるで布袋さんのようなそのおじいさんは、いきなり私に向かってこう言いました。

「お兄ちゃん、ちょっとわしの話し相手になってくれへんか。わし話し相手がおらへんで寂しいしここ来てんねん」

咄嗟の出来事に私はどう返事をしていいものか分からくなってしまいました。

よろしくお願いします。
その気持ちわかります。
いらっしゃいませ。
有難うございます。
いや、間に合ってます。

どれも違うような気がしました。

結局私はただ「ハハハ」と笑って、ベンチに腰をかけました。

「兄ちゃん、わし何歳に見える?」

会話はいきなり合コンスタイルで始まりました。

「わし72歳やねん。兄ちゃんなんか孫みたいなもんかもしれん。
 そう言えば兄ちゃん、前に一度わしとおうたこと無いか?」

何か既視感を覚える。
確か以前実家に帰った時、散歩で立ち寄った堤防で出会った、人生リタイヤしたオジサンとの邂逅もこんな感じだったような気が。

孤独で淋しい老人って、実は思っている以上にたくさんいるのではないだろうか。
私は自分の未来に思いを馳せました。

おじいさんは嬉々としてしゃべり続けました。

「わしこの辺にアスファルト引いててん。10分したら固まるし、時間との勝負や」
「昔の知り合いが栗送ってくんねんけど不味いねん。でもお返ししなあかんし、タケノコでも送ったろかおもて」
「この辺の茶は押しが弱いねん。まあ2回までが限度やな。その代わり風味がええねん」
「ながれ橋なぁ、今作り直しとんねん。来年三月完成予定や」

「また同じ仕様で作りなおすんですか?ながれ橋」
私はオジサンに質問しました。

「そりゃそうやろ。流れなながれ橋やあらへんがな。流れてこそのながれ橋や。
 最近は千葉からもこれ見に観光客が来てるで。
 この辺ネットに挙げよる輩もいるみたいやし、全国的に有名になってんねん」

おじいさん、あなたの目の前にもその輩がいます。私は心の中でそう呟きました。

話は延々と続き、私はそれから30分余り、ベンチから動けませんでした。

やがて汗が冷え、寒さを感じ始めました。

「やばい、寒くて死にそう」

でも私は、私がいなくなるとベンチで独りになってしまうおじいさんの事を思うと、立ち去ることが出来ませんでした。

やがて休憩所にもう一人年配の方がやってきました。

おじいさんは直ぐにその方も話の輪に取り込んでしまいました。

「最近の左官職人はなあ、漆喰よう塗れへんねんで」
そんな感じの事を話していたように思います。

更にしばらくして、タバコを切らしたおじいさんが、自分の車の方に(恐らく)タバコをとりに行きました。

すかさず年配の方がこの場を立ち去りました。

「しまった!先越された」
私は寒さに震えながら、もう限界を迎えようとしていました。

そそくさとボトルをケージにしまい、LOOK595に手をかけて立ち上がりました。
解散アピールです。

「おっ、もう帰んのか?」

「は、はい、もう寒くなってきて」

「そうか」

おじいさんの手には新しいタバコが握られていました。
話の続きをする気満々だったのでしょう。

「では、お体に気を付けて」

「いやぁ、わしなんかもう78やで。早よ逝きたいわ」

最初72歳と言っていたような気がするが、まあいいか。

「いや、でも車もご自分で運転なさって、まだまだ元気ですよ」

「乗らな車動かへんなるから乗ってるだけや」

「じゃあ、また。お元気で」

「またねぇ~」

最後の言葉だけ何故か可愛かったおじいさん。


おじいさんと無事別れることに成功した私。
その時、私は既に凍えていました。

私の方が先に逝きそうでした。

でも人生最後に聞いた言葉が、名も知れぬ老人の愛嬌溢れる「またねぇ~」にはしたくありませんでした。

私は体を温める為に、とにかく全力でペダルを回しました。

スピードを増すほどに冷たい向かい風は勢いを増し、ようやく上がりかけた体温を否応なく奪っていきました。


それから約10分後、ようやく落ち着いてきました。

そして私は、改めてながれ橋でのあの邂逅を思い返してみました。


「もしかして私は、ながれ橋の妖精に出会ったのではないだろうか?
 そもそも話し相手を求めて老人が行くところと言えば、病院の待合室とか、公園でのゲートボールとか、そんな所ではないのか。
 なぜ自転車が趣味でもない老人が、自転車乗りしか集まらない自転車道の休憩所に、それも無理やり車を乗り入れてまでやってくるのか。
 そういえば、あのおじいさん、ついぞ自転車の事には一度も触れないままだったな」


また会おう、ながれ橋の妖精。

……続く。

最後まで読んで頂き、感謝、感激です。

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